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Oil Painting 油彩
不思議世界に住む少女・不思議世界を旅する少女
存在
Existence

スフィンクス
油彩 キャンバス S50 2017

瞳の海
油彩 キャンバス S30 2018

Pink Sphinx
油彩 キャンバス F15 2015
個人蔵
個人蔵
旅する生活
Travering Life

風は歌う
油彩 アクリル 雲母 砂 キャンバス S3 2024

空は歌う
油彩 アクリル 雲母 砂 キャンバス S3 2024

祈り
油彩 アクリル キャンバス F0 2024
旅をする森
Travering Woods

光の海へ
アクリル キャンバス F6 2024

終わらざりし物語
アクリル 雲母 砂 キャンバス SSM 2024

風の森
アクリル 雲母 砂 キャンバス SM 2024
幻想建築
Surreal Architecture

都市の記憶
油彩 アクリル キャンバス F0 2024

記憶の結晶
油彩 アクリル キャンバス F0 2024

水柱
油彩 アクリル キャンバス F0 2024
世界
World

生と死
油彩 アクリル モデリングペースト キャンバス 木製パネル P40変形 2016

宇宙華
油彩 キャンバス P40変形 2019

動け!
油彩 キャンバス P40変形 2018
コレクション
旅の終わり=始まり
Collection
The end of the journey =
The beginning of the next

コレクション
―ユニコーンの箱舟―
油彩 キャンバス P20
2021
【コンセプト】
あまねく生きものたちのつがいを乗せたはずのノアの箱舟に、乗らなかった生きものがいる
――という民話があるのをご存じでしょうか?
それがユニコーンなのだそうです。
だからユニコーンは、今はいないのだ――と(東欧民話)。
もしもユニコーンが箱舟に乗り、生き残っていたら?
地球の生態系は現在とは違ったものになっていたかもしれません。
西暦2020年、未知のウイルスが人類という船に乗り込んで来ました。
そのせいで、ほんの数十年前までは空想にすぎなかったインターネットや携帯電話は、
この一年で急速に普及し、私たちの生活スタイルも変化しました。
今後、人類に突然変異が起こり、新しい種族が生まれたりするのかもしれません。
ここにはないけれども、地球や宇宙のどこかにあるかもしれないもの。
今はないけれども、これから現れるもの。
空想や幻想は、取るに足りない空虚なものではなく、そういうものかもしれません。
それが加わったために、大きな変化がもたらされることもある……
これまで私は、「より現実の彼方へ!」「未知のものへ!」と思いを馳せ、
一枚の絵ごとに、一つの宇宙、一つの世界を構築してきました。
この作品では、そのような精神の旅で発見し、持ち帰った事物コレクションを、
現実世界に収めるように表現しました。
それらは、次の旅へも誘います。
【ユニコーンの角】
その航路の先頭を行くはユニコーンの角。あらゆる魔を払い解毒をなすといいます。
【棚の中の不思議コレクション】
◆左列上の棚
水晶を水槽として、魚が住んでいます。
◆左列中の棚
星のかけら。内部に宇宙を含んでいます。
◆左列下の棚
水が棚に収まっています。そこに泳ぐワニの岸辺。寄って来た者を襲うのでしょうか。あるいは溺れている者を救うでしょうか。
◆中央列上
異空間へ通じる門。大きな箱舟も出られます。
◆中央列下
キノコのように栽培される惑星たち。
◆右列上
空の欠片の蝶。互いに組み合ってまた空へと還ります。
◆右列下
丸底フラスコで育成される植物ウサギ。成長するとフラスコからピョンピョン出て行きます。
2021
【コンセプト】
あまねく生きものたちのつがいを乗せたはずのノアの箱舟に、乗らなかった生きものがいる
――という民話があるのをご存じでしょうか?
それがユニコーンなのだそうです。
だからユニコーンは、今はいないのだ――と(東欧民話)。
もしもユニコーンが箱舟に乗り、生き残っていたら?
地球の生態系は現在とは違ったものになっていたかもしれません。
西暦2020年、未知のウイルスが人類という船に乗り込んで来ました。
そのせいで、ほんの数十年前までは空想にすぎなかったインターネットや携帯電話は、
この一年で急速に普及し、私たちの生活スタイルも変化しました。
今後、人類に突然変異が起こり、新しい種族が生まれたりするのかもしれません。
ここにはないけれども、地球や宇宙のどこかにあるかもしれないもの。
今はないけれども、これから現れるもの。
空想や幻想は、取るに足りない空虚なものではなく、そういうものかもしれません。
それが加わったために、大きな変化がもたらされることもある……
これまで私は、「より現実の彼方へ!」「未知のものへ!」と思いを馳せ、
一枚の絵ごとに、一つの宇宙、一つの世界を構築してきました。
この作品では、そのような精神の旅で発見し、持ち帰った事物コレクションを、
現実世界に収めるように表現しました。
それらは、次の旅へも誘います。
【ユニコーンの角】
その航路の先頭を行くはユニコーンの角。あらゆる魔を払い解毒をなすといいます。
【棚の中の不思議コレクション】
◆左列上の棚
水晶を水槽として、魚が住んでいます。
◆左列中の棚
星のかけら。内部に宇宙を含んでいます。
◆左列下の棚
水が棚に収まっています。そこに泳ぐワニの岸辺。寄って来た者を襲うのでしょうか。あるいは溺れている者を救うでしょうか。
◆中央列上
異空間へ通じる門。大きな箱舟も出られます。
◆中央列下
キノコのように栽培される惑星たち。
◆右列上
空の欠片の蝶。互いに組み合ってまた空へと還ります。
◆右列下
丸底フラスコで育成される植物ウサギ。成長するとフラスコからピョンピョン出て行きます。

コレクション ―空の青―
油彩 モデリングペースト
キャンバス F3 2021
【コンセプト】
身動きが取れないようなときでも、「想い」は自由に飛べる。
【少女の言葉】
青空を想うとき、空は私の中にあります。この身の内の空の力で飛びましょう。
【棚の中の不思議コレクション】
◆左列上
二つの銀河のように浮遊し、統合し合う花。ここで、次の世代の種子の元が出会う。
◆左列下
時の波が打ち寄せる岸辺に、鳥の首のような蕾が生えました。
成長して体と翼を得、時の彼方へ飛び立って行くものがあります。
ここで蕾が花開き、結実して生涯を終えるものもあります。
◆右列上
水晶たちの夢。今は街の夢を見ているようです。現れては消え、その時々で姿を変えます。
けれども水晶たちの眠りは途方もなく永いので、夢だとは気づかずに住み着いてしまう生きものもいます。
【背景】
絵の中の壁。そこにも世界が広がっています。角のある動物が歩き、鳥が飛び、花が咲いています。時々、壁から出てきます。
青い蝶からこぼれ落ちた欠片が、空に戻って行きます。
キャンバス F3 2021
【コンセプト】
身動きが取れないようなときでも、「想い」は自由に飛べる。
【少女の言葉】
青空を想うとき、空は私の中にあります。この身の内の空の力で飛びましょう。
【棚の中の不思議コレクション】
◆左列上
二つの銀河のように浮遊し、統合し合う花。ここで、次の世代の種子の元が出会う。
◆左列下
時の波が打ち寄せる岸辺に、鳥の首のような蕾が生えました。
成長して体と翼を得、時の彼方へ飛び立って行くものがあります。
ここで蕾が花開き、結実して生涯を終えるものもあります。
◆右列上
水晶たちの夢。今は街の夢を見ているようです。現れては消え、その時々で姿を変えます。
けれども水晶たちの眠りは途方もなく永いので、夢だとは気づかずに住み着いてしまう生きものもいます。
【背景】
絵の中の壁。そこにも世界が広がっています。角のある動物が歩き、鳥が飛び、花が咲いています。時々、壁から出てきます。
青い蝶からこぼれ落ちた欠片が、空に戻って行きます。

コレクション ―天球儀―
油彩 キャンバス F4
2022
【コンセプト】
天球を模したものを人間は作りましたが、本物の宇宙をその「外」から眺めることができれば、それがもっともリアルな天球儀となります。ここはどこの宇宙にも属さない、不思議な部屋です。
【円形の窓】
その中に入れば、宇宙のあらゆる場所、あらゆる時代を把握できる、不思議な天球儀。
それが先の旅で得たもの。そして、次の旅へと誘うもの。
【少女】
少女も抽斗の中にいます。少女自身も誰かのコレクションなのかもしれません。
少女の胸の内の空は蝶となって、宇宙へ溶け込んでいきます。
【棚の不思議コレクション】
◆左上
異空間の水面から生える植物。カエルの手足のようでもある。いずれカエルになって動きだすのかもしれない。
◆左下の抽斗
耳がたくさんあるウサギ。遠いパルサーの鼓動も聞き取ります。
◆右上
水晶の中に天の川の魚が住んでいます。
◆右下の抽斗
鳥の首から枝が生えました。このままここで植物として生きるもよし、飛び立って新天地を見つけてもよし。そこでまた緑を広げることができるでしょう。
2022
【コンセプト】
天球を模したものを人間は作りましたが、本物の宇宙をその「外」から眺めることができれば、それがもっともリアルな天球儀となります。ここはどこの宇宙にも属さない、不思議な部屋です。
【円形の窓】
その中に入れば、宇宙のあらゆる場所、あらゆる時代を把握できる、不思議な天球儀。
それが先の旅で得たもの。そして、次の旅へと誘うもの。
【少女】
少女も抽斗の中にいます。少女自身も誰かのコレクションなのかもしれません。
少女の胸の内の空は蝶となって、宇宙へ溶け込んでいきます。
【棚の不思議コレクション】
◆左上
異空間の水面から生える植物。カエルの手足のようでもある。いずれカエルになって動きだすのかもしれない。
◆左下の抽斗
耳がたくさんあるウサギ。遠いパルサーの鼓動も聞き取ります。
◆右上
水晶の中に天の川の魚が住んでいます。
◆右下の抽斗
鳥の首から枝が生えました。このままここで植物として生きるもよし、飛び立って新天地を見つけてもよし。そこでまた緑を広げることができるでしょう。
旅する少女
Girls on a Journey
Oil Painting 油彩
日本伝統絵画×少女
浮世絵(版画)は、江戸時代に木版印刷技術を用いて大量生産され、庶民へも芸術を提供しました。日本の色彩、構図、デザインなどの面でも多くの革新的な要素を導入しました。
そして浮世絵は日本だけでなく、西洋の美術や文化に大きな影響を与えました。特にヨーロッパの印象派やポスト印象派の画家たちは、浮世絵からインスパイアを受け、その美術表現に取り入れました。
浮世絵は現代日本のマンガやアニメにも影響を与え、漠然と私たちの身近にあると言えるでしょう。その浮世絵の中に、少女を入れました。ご存じの浮世絵はありませんか?
日本伝統の構図やアウトラインも生かしつつ、写実的表現や現代絵具の金属色を加え、オリジナルで新鮮な表現を追究しました。

仮面
東洲斎写楽「大谷鬼次の江戸兵衛」
M10 油彩 アルキド樹脂絵具 キャンバス

仮面
東洲斎写楽「紀伊国屋納子
三代目沢村宗十郎の孔雀三郎なり平」
F3 油彩 アルキド樹脂絵具
キャンバス
キャンバス

仮面
東洲斎写楽「堺屋秀鶴 二代目中村仲蔵の小野の百姓田のくろのつち蔵 実は惟高親王」
F3 油彩 アルキド樹脂絵具
キャンバス
キャンバス

雷神 俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一《風神雷神図屏風》のオマージュ
F3 アクリル 蓄光塗料 キャンバス 個人蔵
《風神雷神図屏風》は江戸時代初期に俵屋宗達によって描かれました。
その後、尾形光琳・酒井抱一・鈴木其一という有名絵師たちが模写しつつ独自にアレンジするほど、興味深いテーマです。
《風神雷神図屏風》は江戸時代初期に俵屋宗達によって描かれました。
その後、尾形光琳・酒井抱一・鈴木其一という有名絵師たちが模写しつつ独自にアレンジするほど、興味深いテーマです。

風神 俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一《風神雷神図屏風》のオマージュ
F3 アクリル 蓄光塗料 キャンバス 個人蔵
《風神雷神図屏風》は江戸時代初期に俵屋宗達によって描かれました。
その後、尾形光琳・酒井抱一・鈴木其一という有名絵師たちが模写しつつ独自にアレンジするほど、興味深いテーマです。
《風神雷神図屏風》は江戸時代初期に俵屋宗達によって描かれました。
その後、尾形光琳・酒井抱一・鈴木其一という有名絵師たちが模写しつつ独自にアレンジするほど、興味深いテーマです。

《ヴィーナスの誕生》
葛飾北斎「神奈川沖浪裏(富嶽三十六景)」のオマージュ
油彩 アクリル アルキド樹脂絵具 ジェッソ キャンバス
葛飾北斎 神奈川沖浪裏 富嶽三十六景 ヴィーナス ビーナス ヴィーナスの誕生 ビーナスの誕生
葛飾北斎《神奈川沖浪裏》
浮世絵の傑作として世界ミニウム箔 キャンバス F6 2023的に知られ、世界と日本の美術史において非常に重要な位置を占めています。
大きな波が船や人々を巻き込む海上の緊迫した瞬間。巨大な波とその迫力を感じさせる構図や、風景の中での人々の小ささと脆弱さが強調されており、自然の力と人間の無力感が同時に表現されています。
その中で富士山は静かに佇む存在として描かれており、荒ぶる海と雲に囲まれながらもその存在感が際立っています。
《ヴィーナスの誕生》
【コンセプト】
ヴィーナスという愛と美の女神の誕生を、世界全体が寿いでいるというコンセプトの、めでたい作品です。
【少女=ヴィーナス=富士山】
少女に富士山のご祭神である木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)を重ね、ヘアスタイルは日本風。流れる髪を富士山のシルエットにしました。
少女の瞳の虹彩にも金色を使っていますので、角度によってキラッと目が光ります。
「ヴィーナスの誕生」でよく知られているのは、ボッティチェッリの作品でしょう。私がヴィーナスのポーズの参考にしたのは、ブーシェの「ヴィーナス誕生」です。波の上に直接寝るという共通項で、カバネルの「ヴィーナス誕生」も念頭に浮かびました。
それらの影響を受けながらも、私はこの作品のヴィーナスを肉感的なポーズや姿態にはせず、芯のある精神的な存在としました。
【波】
北斎が描いた砕ける波頭は、現代のカメラで写したものと同じ形だそうです。私はそれを、ヴィーナスの誕生を寿ぐ花としました。筆やペインティングナイフのタッチが、動的に感じられることでしょう。
飛び散る水滴はアルミニウム箔で表現しています。アルミニウム箔は銀箔と違って変色しないため、ずっとキラキラと輝き続けます。
波の形は北斎を踏襲しつつ、油彩の半透明な青を塗り重ね、原画でしか感じられないような豊かな青となっています。
【空と雲】
北斎の作品は嵐の一場面なので、空は暗く、雲もものものしく感じられます。しかしこの作品はめでたい日ですので、空は柔らかな空色、雲は金色にしました。角度によって、光を反射します。見るたびに異なる色味に見えることでしょう。
葛飾北斎 神奈川沖浪裏 富嶽三十六景 ヴィーナス ビーナス ヴィーナスの誕生 ビーナスの誕生
葛飾北斎《神奈川沖浪裏》
浮世絵の傑作として世界ミニウム箔 キャンバス F6 2023的に知られ、世界と日本の美術史において非常に重要な位置を占めています。
大きな波が船や人々を巻き込む海上の緊迫した瞬間。巨大な波とその迫力を感じさせる構図や、風景の中での人々の小ささと脆弱さが強調されており、自然の力と人間の無力感が同時に表現されています。
その中で富士山は静かに佇む存在として描かれており、荒ぶる海と雲に囲まれながらもその存在感が際立っています。
《ヴィーナスの誕生》
【コンセプト】
ヴィーナスという愛と美の女神の誕生を、世界全体が寿いでいるというコンセプトの、めでたい作品です。
【少女=ヴィーナス=富士山】
少女に富士山のご祭神である木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)を重ね、ヘアスタイルは日本風。流れる髪を富士山のシルエットにしました。
少女の瞳の虹彩にも金色を使っていますので、角度によってキラッと目が光ります。
「ヴィーナスの誕生」でよく知られているのは、ボッティチェッリの作品でしょう。私がヴィーナスのポーズの参考にしたのは、ブーシェの「ヴィーナス誕生」です。波の上に直接寝るという共通項で、カバネルの「ヴィーナス誕生」も念頭に浮かびました。
それらの影響を受けながらも、私はこの作品のヴィーナスを肉感的なポーズや姿態にはせず、芯のある精神的な存在としました。
【波】
北斎が描いた砕ける波頭は、現代のカメラで写したものと同じ形だそうです。私はそれを、ヴィーナスの誕生を寿ぐ花としました。筆やペインティングナイフのタッチが、動的に感じられることでしょう。
飛び散る水滴はアルミニウム箔で表現しています。アルミニウム箔は銀箔と違って変色しないため、ずっとキラキラと輝き続けます。
波の形は北斎を踏襲しつつ、油彩の半透明な青を塗り重ね、原画でしか感じられないような豊かな青となっています。
【空と雲】
北斎の作品は嵐の一場面なので、空は暗く、雲もものものしく感じられます。しかしこの作品はめでたい日ですので、空は柔らかな空色、雲は金色にしました。角度によって、光を反射します。見るたびに異なる色味に見えることでしょう。

《羽衣》
葛飾北斎「凱風快晴(富嶽三十六景)」または「赤富士」のオマージュ
能や民話でよく知られた「羽衣」の物語をオーバーラップさせました。
油彩 アクリル 金箔 アルミニウム箔 雲母 ガラスパウダー キャンバス
油彩 アクリル 金箔 アルミニウム箔 雲母 ガラスパウダー キャンバス

《愛は波のように》葛飾北斎《蛸と海女》のオマージュ
油彩 アクリル インク キャンバス F3 2021 個人蔵
“Shunga”としては、世界で最も知られているかもしれません。
二匹の蛸と海女さんが絡むという衝撃のシーンです。これは『喜能会之故真通(きのえのこまつ)』という物語の挿絵で、背景には官能小説が書かれています。きちんと読むと、ほとんどが生々しいオノマトペだそうです。
【コンセプト】
品位あるエロスの表現。日本的な抽象性を生かす。
【少女】
海女さんを立体的にしたことで、よりエロスを演出すると同時に、美しく品位を保ちました。髪は日本の様式美を取り入れ、流水紋です。
【蛸】
北斎の二匹の蛸に加え、三匹目が、大きな蛸の頭部にまるで分裂・増殖するように現れ、蛸の興奮を表しています。四匹目、五匹目……と、限りなく続くのかもしれません。
【背景】
北斎は海女さんを岩に寝そべらせていて、痛々しくも感じます。
私は岩を墨で抽象的に表現し波のようにも見せました。これはタイトルにあるように、歓喜が波のように何度も押し寄せて来るということを暗に示しています。
背景は三次元を感じさせない一面の金色で、蛸と海女さんが宙に浮いているようでもあります。ここからも歓喜の浮遊感を無意識に感じ取っていただけるでしょう。
“Shunga”としては、世界で最も知られているかもしれません。
二匹の蛸と海女さんが絡むという衝撃のシーンです。これは『喜能会之故真通(きのえのこまつ)』という物語の挿絵で、背景には官能小説が書かれています。きちんと読むと、ほとんどが生々しいオノマトペだそうです。
【コンセプト】
品位あるエロスの表現。日本的な抽象性を生かす。
【少女】
海女さんを立体的にしたことで、よりエロスを演出すると同時に、美しく品位を保ちました。髪は日本の様式美を取り入れ、流水紋です。
【蛸】
北斎の二匹の蛸に加え、三匹目が、大きな蛸の頭部にまるで分裂・増殖するように現れ、蛸の興奮を表しています。四匹目、五匹目……と、限りなく続くのかもしれません。
【背景】
北斎は海女さんを岩に寝そべらせていて、痛々しくも感じます。
私は岩を墨で抽象的に表現し波のようにも見せました。これはタイトルにあるように、歓喜が波のように何度も押し寄せて来るということを暗に示しています。
背景は三次元を感じさせない一面の金色で、蛸と海女さんが宙に浮いているようでもあります。ここからも歓喜の浮遊感を無意識に感じ取っていただけるでしょう。

《ピンク・ラブ》
喜多川歌麿
《歌まくら》第九図のオマージュ
油彩 アクリル モデリングペースト キャンバス
SM 2021年
喜多川歌麿
《歌まくら》
喜多川歌麿は、美人画で知られていますが、春画も描きました。
春画はその場面のシチュエーション――禁忌を犯すとか、身分のギャップなど――を楽しむものであるようです。例えば、この「歌まくら」という12枚のシリーズでは、役者とひいきのおかみさん、丁稚と店のおかみさん、花嫁と新郎ではない男性……などの組み合わせが見て取れます。共に描かれている小道具や場所が分かれば、より深い理解ができることでしょう。
この第九図では、醜い中年男が嫌がる乙女を無理に……というタブーが描かれています。
ミルヨウコ
《ピンク・ラブ》
【コンセプト】
原画の衝撃を残しながら、かわいらしさを演出する。
【ピンクの花熊】
歌麿の春画のむくつけき毛深い男を、ピンクの熊にしました。体に花が咲いていることがお茶目で、それで「場違いな感じ」を出しました。瞳には輝きがなく、穴が開いているようなところが怖いと思います。
【ウサギ耳髪の少女】
歌麿の原画の女性は抵抗しています。私も少女を応援し、抵抗させました。自然界では弱いウサギでも、噛みついて自分を貫こうとしています。
【背景】
背景はシルバーです。画面上の両角付近には、邪魔にならない程度にマチエールをつけました。シルバーの色はいぶし銀のようで、落ち着いたアンティークな風合いがあります。
SM 2021年
喜多川歌麿
《歌まくら》
喜多川歌麿は、美人画で知られていますが、春画も描きました。
春画はその場面のシチュエーション――禁忌を犯すとか、身分のギャップなど――を楽しむものであるようです。例えば、この「歌まくら」という12枚のシリーズでは、役者とひいきのおかみさん、丁稚と店のおかみさん、花嫁と新郎ではない男性……などの組み合わせが見て取れます。共に描かれている小道具や場所が分かれば、より深い理解ができることでしょう。
この第九図では、醜い中年男が嫌がる乙女を無理に……というタブーが描かれています。
ミルヨウコ
《ピンク・ラブ》
【コンセプト】
原画の衝撃を残しながら、かわいらしさを演出する。
【ピンクの花熊】
歌麿の春画のむくつけき毛深い男を、ピンクの熊にしました。体に花が咲いていることがお茶目で、それで「場違いな感じ」を出しました。瞳には輝きがなく、穴が開いているようなところが怖いと思います。
【ウサギ耳髪の少女】
歌麿の原画の女性は抵抗しています。私も少女を応援し、抵抗させました。自然界では弱いウサギでも、噛みついて自分を貫こうとしています。
【背景】
背景はシルバーです。画面上の両角付近には、邪魔にならない程度にマチエールをつけました。シルバーの色はいぶし銀のようで、落ち着いたアンティークな風合いがあります。

道行
狩野永徳「唐獅子」のオマージュ
F3 油彩 アクリル キャンバス 2024年

《天界の音楽》
歌川豊国《中村歌六》のオマージュ
油彩 アルキド樹脂絵具 キャンバス
F3 2023年
歌川豊国
《中村歌六》
原画は歌舞伎の一場面らしく、「中村歌六」とあります。弁財天が黒雲の沸き立つ中、龍に乗り、琴を弾いています。弁財天といえば琵琶のイメージですが、琴なのが珍しく思いました。
「豊国」とありますが、何代目の豊国かははっきりしません。
弁財天は布をたっぷり使った、豪華な中国風の衣装を身に付けています。
ミルヨウコ
《天界の音楽》
【コンセプト】
音楽が聞こえて来そうな華麗な作品。
【少女】
原画で琴を弾いているのは、弁財天です。それを少女にしました。弁財天は斜め横を向いていますが、私は少女をほとんど正面向きにし、キリリとした目元にしました。
【龍】
グリーンとオレンジという補色で生き生きと表現しました。
【雲】
原画でも雲は日本の古典的な雲模様の様式で表現されています。それを踏襲しましたが、輪郭線はシルバーで、クールさと煌めく華麗さを加えました。
F3 2023年
歌川豊国
《中村歌六》
原画は歌舞伎の一場面らしく、「中村歌六」とあります。弁財天が黒雲の沸き立つ中、龍に乗り、琴を弾いています。弁財天といえば琵琶のイメージですが、琴なのが珍しく思いました。
「豊国」とありますが、何代目の豊国かははっきりしません。
弁財天は布をたっぷり使った、豪華な中国風の衣装を身に付けています。
ミルヨウコ
《天界の音楽》
【コンセプト】
音楽が聞こえて来そうな華麗な作品。
【少女】
原画で琴を弾いているのは、弁財天です。それを少女にしました。弁財天は斜め横を向いていますが、私は少女をほとんど正面向きにし、キリリとした目元にしました。
【龍】
グリーンとオレンジという補色で生き生きと表現しました。
【雲】
原画でも雲は日本の古典的な雲模様の様式で表現されています。それを踏襲しましたが、輪郭線はシルバーで、クールさと煌めく華麗さを加えました。
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